「寝てますね」
「いつ起きるかな」
「早くお話ししたいよ~」
「ちょっとツネってみるか」
そんな言葉が聞こえてきて、まだボンヤリとしたまま目をゆっくり開けるみると目の前に青、紫、黄、赤のワンピースの様な服を着て蝶の羽をパタパタ動かしている4人の妖精がいた。
幻覚かと思い何度も目をこすってみたけれど妖精は一向に消える様子はない。
(空がきれいだ)
遠くを見て現実逃避をしていると4人がそれぞれ言葉をかけてきた。
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
「何しに来たの~?」
「大丈夫ですか?」
「まだ寝てるのか?やっぱツネるか」
流石に無視するわけにはいかないと思い。日本という国に住んでいる事、いつの間にかこの森にいて出ようと歩いていたけれど出れなくて光が見えたからそれを目指していたらこの場所についた事、なぜか身体が軽くて大丈夫な事、ツネるのはやめてほしいと質問に答えた。
「ニホン?聞いた事ないよ」
「大変だね~」
「この場所は澄んでいるからだと思います」
「ちぇ」
それぞれ反応してくれたお陰で目の前に実在している事ここは日本ではないことを実感できた。
できてしまったら帰る方法はあるか聞いてみたが答えは
『わからない』
何処かにあるかもしれないし、無いかもしれないと言われた。
(少しでも可能性があるなら探してみよう)
そう決意したが、この世界の事を知らないと探しようがないと思い呼びかけてみると
「あの、妖精さん」
「妖精?私たちの事?」
「はじめて聞くね~」
「僕たちは精霊ですよ」
「バッカで~」
妖精だと思っていたが精霊だったらしい。